日付:2026-09-28
公開日付:2026-09-28
•特定までの基本ルートは五つのステップ:出品ページの証拠保全 → テスト購入 → 現物・物流・事業者公示情報からの主体手がかりの掘り起こし → 川上調査(卸売プラットフォームでの同型品調査、パッケージ印刷業者の特定)→ 現地調査による生産地・在庫・規模の確認。多くの案件は第三・第四ステップで候補を絞り込めます。
•テスト購入は、後の手続で通用する形で証拠化することが絶対条件。公証購入、または弁護士が取証計画に基づいて実施するタイムスタンプ取証によること。自前のスクリーンショットや通常の宅配受領記録では、後続手続での証明力が限られます。
•工場を特定した後の打撃ルート。行政摘発(市場監督管理部門への通報。迅速・低コストで現場差押えが可能。違法経営額5万元以上の場合は経営額の5倍以下、それ未満・算定不能の場合は25万元以下の罰款。中国商標法第60条、2026年8月時点)、刑事告発(「假冒注册商标罪」(登録商標冒用の罪)は違法経営額5万元以上または違法所得3万元以上等で立件基準に到達。中国刑法第213〜215条及び立案追訴基準、同時点)、民事訴訟(損害賠償と差止め)。三つは排他的ではなく、行政摘発の現場記録を刑事・民事の中核証拠として連鎖させるのが実務上の定石です。
•すべての前提となるのは中国での権利基礎。模倣された商品を指定商品に含む中国の登録商標が、行政摘発と刑事ルートの土台となります。日本の登録だけでは発動できません。権利に不備があれば、特定作業より先に権利化を済ませてください。
なぜ出品削除だけでは模倣品が止まらないのですか?
EC上の出品は、模倣品サプライチェーンの末端にすぎません。一つの製造元工場が多段階の流通網に商品を供給しているため、削除された商品は店舗を替えて数日で再出品されるのが実態です。大型セール前に集中的に通報し、数百件を削除してKPIは達成した——しかし二週間後に同じキーワードで検索すると元通り、というサイクルは、模倣品対策担当者なら一度は経験したことがあるはずです。
その原因は供給側にあります。金型、印刷版、パッケージ、流通網といった模倣品製造のための固定資産はすべてオフラインに存在しており、プラットフォームへの通報ではこれらに手が届きません。状況を変えるためには、製造元の製造コストと法的リスクを引き上げること——具体的には金型の差押え、在庫の没収、経営者への罰款や刑事責任の追及——が必要です。あるカテゴリから模倣品が「撤退」するのは、このような措置が実際に講じられたときです。
したがって、成熟したブランド保護の基本形は、「一括通報で目に見える在庫を抑える層」と「源流を特定して再生産を断つ層」の二層を並行して進めることです。本記事では後者、すなわち源流特定に焦点を当てて解説します。プラットフォーム通報の実務については、別記事「タオバオ・拼多多の模倣品削除ガイド」をご参照ください。

図 1|模倣品サプライチェーンと打撃レベル(模式図)
見た目以上に多くの情報が得られます。店舗の事業者公示・商品詳細・購入者レビューの写真が費用ゼロの第一層、テスト購入で入手する現物・パッケージ・物流伝票が決定打となる第二層です。
第一層は出品ページそのものです。中国電子商務法第27条により、プラットフォームは出店申請者の実名身元と許認可情報を確認・登記する義務を負っており、多くのプラットフォームは店舗ページで営業許可証(営業執照)を公示しています。店舗名、公示された法人、登記住所、開店時期を記録し、中国の企業情報公開チャネルでその法人の株主・関連会社・経営範囲を調べてください。小売店舗の背後には「貿易会社」が介在していることが多く、その関連会社に「○○製品廠」「○○包装廠」が現れた時点で、特定作業は半分終わったも同然です。商品詳細ページと購入者レビューの写真も一枚ずつ確認します。ロット番号、下げ札、「委託者/被委託者」名の入った合格証、産地表示――これらは模倣品が自ら「名乗っている」手がかりです。
第二層はテスト購入です。受領後に重点的に採取するのは四種類です。現物とパッケージ(作り・素材・偽造防止表示を真正品と逐一比較し、鑑定意見書の形に整える)、物流情報(発送地・発送人名・電話番号――発送地が特定の産業集積地の郷鎮に集中していれば有力な指標となります)、同梱書類(合格証・説明書・保証書と、そこに印刷された主体名)、そして決済・領収の主体(受取人と店舗公示の法人が一致するか)です。購入の全過程は、後の手続で通用する形――公証購入、または弁護士が取証計画に基づいて実施するタイムスタンプ取証――で保全し、「注文から開封まで」の証拠の連鎖と主体の特定性を確保してください。
第三層は川上調査です。現物写真で卸売プラットフォームを画像検索し、「工場直販」「OEM・ロゴ入れ対応」を謳って同型品を大量販売する店舗を探します。金型成形品であれば、パーティングラインやゲート跡といった金型特徴が一致すれば、同一出所とほぼ判断できます。また、パッケージ印刷も見落とされがちな糸口です。模倣品の化粧箱や下げ札は通常、工場所在地の近くで印刷されており、印刷業者の受注記録は行政・刑事手続において証拠をつなぐ環となり得ます。
現地調査の目的は、「候補」を「摘発可能な標的」に変えることにあります。具体的には、実際の生産場所・生産品目・在庫規模・販売規模を確認し、行政摘発または刑事立件を支える初期証拠を固めます。オンラインで掘り当てた住所は登記上のもので、実際の工場ではないことが少なくありません。現地で稼働状況を確かめるとともに、執行機関が動く前に最も気にする二つの問い——現場に在庫があるか(摘発が「現物押さえ」になるか)、規模はどの程度か(行政か刑事か)——に答えることがこのステップの本質です。
この工程は専門性とコンプライアンス上の敏感さがともに高く、通常は代理機構を通じて、資格と経験のある調査チームに委託します。手段は合法の範囲内に厳格にとどめること——公開情報と、購買を装った通常の商取引の中での観察が安全圏です。工場敷地への侵入、資料の窃取、個人の尾行・撮影は違法であり、証拠が無効になるだけでなく、ブランド側自身が法的リスクを負うことになります。委託前に、調査計画とコンプライアンス上の限界を代理機構と十分に確認しておくことが肝要です。
タイミングも手段と同じだけ重要です。先に警告状を送るなどして相手に気取られると、在庫は移され、摘発は空振りに終わります。省外の大型案件における実務上の定石は、調査で現場在庫を確認した上で、工場所在地の市場監督管理部門へ通報し抜き打ち検査に協力を依頼し、現場の差押え結果を踏まえて刑事移送または民事訴訟を推進するという流れです。

図 2|出品ページから工場までの五つのステップと三つの打撃ルート(2026 年 8 月時点)
工場を特定した後、行政・刑事・民事のどれを選びますか?
小規模で速さ重視なら行政摘発、規模が大きく悪質なら刑事、賠償と判決による抑止が必要なら民事――三つのルートは排他的ではなく、「行政で突破口を開き、刑事・民事で追い込む」という順次の組み合わせが実務上の定石です。

ここで実務上の注意点を二つ挙げます。第一に、行政摘発の現場調書と差押え目録は、天然の「証拠増幅器」として機能します。工場現場の生産量・帳簿・金型は、民事手続では後から入手することがほぼ不可能であるため、最終目標が賠償であったとしても、行政摘発から着手するのが通例です。第二に、刑事ルートは証拠の要求水準が最も高く、告発資料には権利証書、鑑定意見書、テスト購入の完全な取証記録、そして規模を示す手がかりをすべて揃える必要があります。立件基準への到達可否や罪名の選択については、必ず代理弁護士の評価に基づいて判断します。
一回限りの打撃を常設の仕組みに変えること、すなわち再出品のモニタリング、摘発済み主体の関連会社のウォッチ、税関と卸売集積地での「遮断層」の設置が求められます。具体的には四つの要素があります。まず、150超のECプラットフォームを対象とした継続モニタリングでは、画像照合により新規出品を自動検知し、摘発済み主体と同名・同住所・同型品を取り扱う「看板掛け替え店舗」を識別します。次に、摘発した工場の関係者ウォッチとして、法定代表者名義の新会社や同住所での新たな看板の有無を注視します。さらに、輸出への露出があるブランドについては、税関登録(水際措置)を併用します。登録に官費はかからず、有効期間は10年であり、国境が第二の遮断線として機能します(2026年8月時点)。そして最後に、削除件数・差押え数量・罰款や判決金額といった戦果を経営層向けのダッシュボードに整理し、翌年度の対策予算の根拠とすることです。
よくある質問
Q:出品ページの URL だけで、工場に対して通報できますか?
A:一般的にはできません。行政・刑事手続のいずれにおいても、特定された主体を指し示す証拠が必要であり、出品のスクリーンショットだけでは工場を特定できず、立件の証拠要件も満たしません。テスト購入→証拠保全→主体特定→通報という順序が正解です。資料が揃っているほど、執行機関の動きは速くなります。
Q:日本の登録商標があれば足りますか?中国の登録は必要ですか?
A:中国の登録が必要です。行政摘発も「假冒注册商标罪」(登録商標冒用の罪)も、模倣された商品を指定商品に含む中国本土の登録商標を前提とし、日本の登録では発動できません。中国での意匠権や著作権登録は並行して使える道具になります。出願中の場合は、権利の穴を塞いでから特定作業に投資してください。
Q:調査会社に工場を調べさせるのは合法ですか?
A:合法な調査は、公開情報と通常の商取引の中での観察——例えば購買者として製品と生産能力を確認する——が限界線です。敷地への侵入、資料の持ち出し、個人の尾行は違法で、証拠は無効になり、責任がブランド側に跳ね返ることもあります。コンプライアンス計画を第一の審査項目とし、調査は代理機構を通じて一元管理してください。
Q:摘発された工場が名義を変えて再開したら?
A:まさにそのために「打撃+モニタリング」をセットで構えます。摘発後は当該主体の法定代表者・株主・実際の事業所住所をウォッチリストに載せ、新設会社や新店舗が現れ次第すばやく対処します。再犯者への二度目の打撃は、累犯の情状を踏まえてより重い行政処罰や刑事立件を推進でき、相手の「復活コスト」を大きく引き上げられます。
Q:特定から摘発まで、期間と費用はどのくらいかかりますか?
A:手がかりが明確で工場が単一、現場在庫が確認できる単純な案件なら、テスト購入から摘発まで数か月で進む例が多く、多層構造の案件はより長い期間を要します。費用は購入件数・調査範囲・打撃ルートに応じて変わるため、通常は被害が最大の主力SKUから着手します。実際の出品サンプルに基づくルート・実行可能性の評価から始めるのが、最も安上がりな見積もり方法です。
「削除しては再出品される」というループに予算を吸われているなら、通報予算の一部を源流特定に振り向ける価値があります。康信は、150超のプラットフォームを対象とするECモニタリング、公証または弁護士によるタイムスタンプ取証を伴うテスト購入、主体特定、現地調査、そして行政摘発の対応・刑事告発の支援・民事訴訟までを一貫して自社で提供し、オンラインのモニタリングデータとオフラインの摘発戦果を同じダッシュボードでご報告いたします。まずは無料相談をご予約ください。現在把握されている模倣品出品のサンプルをもとに、特定の実行可能性と最適な打撃ルートを評価いたします。資料請求も承っております。
本記事は一般的な情報の提供を目的とするものであり、法的助言ではありません。罰款の幅、立件追訴基準、税関登録の有効期間等は中国商標法・刑法・電子商務法および公表されている立案追訴基準の現行規定(2026 年 8 月時点)に基づいており、最新の公式公表をご確認ください。個別案件の取証計画・打撃ルート・調査のコンプライアンスについては、康信の専門アドバイザーにご相談ください。