日付:2026-10-20
公開日付:2026-10-20
注目トピック:北京一の超高層ビルが白酒ボトルに使用されたとき
2025年8月、北京知識産権法院は、ある投資会社と酒類メーカーとの著作権侵害事件について第二審判決を下し、第一審判決を維持しました。同法院は、北京中信大厦(中国尊)は『著作権法』にいう建築の著作物に該当すると認定し、酒類メーカーが白酒ボトルのデザインにその外観を使用した行為は著作権侵害に当たると判断しました。その結果、経済的損失30万元および合理的費用15万元、合計45万元の賠償が命じられました。
一つの建築、一つの酒瓶、そして45万元の損害賠償判決。本件は、建築設計業界が長年注目してきた重要な問題、すなわち「中国の伝統文化要素は独占的な法的保護を受けることができるのか」という問いに対して、明確な司法判断を示した事例となりました。
詳細分析:二つの重要な法的判断
① 法的評価の転換:伝統文化を取り入れた建築作品=建築の著作物
中国尊(北京中信大厦)の外観デザインは、殷代の青銅礼器である「尊(Zun)」をデザインモチーフとしています。
第一審法院は、創作において伝統文化の要素を参考にしたとしても、その全体的な外観および各部のデザインにおいて礼器「尊」と区別される独自の美的表現および芸術的表現を形成している場合には、独創性を有し、『著作権法』上の建築の著作物に該当すると明確に示しました。
判断のポイント: 「伝統文化の要素を用いているから保護されない」のではなく、伝統文化を基礎として独自の創作的表現が形成されているかどうかが保護の判断基準となります。
② 侵害判断:実質的類似性+接触可能性
裁判所は、酒類ボトルのデザインが中国尊の完成後に制作されたこと、また酒類メーカーが同じ北京市内に所在する企業であり、当該建築物に接触する機会が十分にあったことを認定しました。
さらに、ボトル外観と中国尊の外観は実質的に類似しており、酒類メーカーは中国尊周辺において同商品の広告を展開していたことから、侵害の意図が明確であると判断しました。
また、販売会社である酒類股份有限公司については、合理的な審査義務を十分に履行していなかったため、2万元の範囲で連帯責任を負うと認定されました。
リスクに関する注意: 販売事業者は、「単に商品を販売しているだけ」という理由で責任を免れることはできません。合理的な審査義務を怠った場合には、損害賠償責任を負う可能性があります。
本件の意義

実務上の提言

まとめ
本件判決の画期的な意義は、中国の伝統文化を取り入れた建築物について、「誰でも自由に利用できるもの」から、「利用には法的責任が伴う対象」へと司法実務を大きく前進させた点にあります。
イノベーションは決して無から生まれるものではありません。伝統文化を基礎として創作された独自の表現もまた、法律による十分な保護に値する創作成果です。
建築設計者であっても、ブランドオーナーであっても、今最も重要なのは、自らのオリジナルな創作成果について、できる限り早い段階で権利を確定させることです。
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